艦名 写真 概要 艦名の由来

ちきゅう Chikyu

総トン数:57807t

全長:210m 全幅:38m

速力:12kt

竣工:2005 活動中

海洋研究開発機構(JAMSTEC)地球深部探査センターが運用する「地球深部探査船」。船体中央に聳え、水面上120mに達する巨大なデリッククレーンと、船体前方に張り出したヘリコプター発着甲板が異彩を放つ。泥水(でいすい)を掘削流体として海面下10000m(海底下7500m)まで掘削できる世界初の「ライザー掘削」能力を備え、マントルや巨大地震発生帯のメカニズムの研究を行っている。
「地球」から。
モデルは艦船モデルでは珍しいバンダイの製品。ガンプラで培われた(と思われる)部品の合いの良さは他の艦船モデルメーカーとは一線を画すレベルで、接着剤はほとんど使う必要がなく、色プラスチック成形で塗装も不要なため、正味一日半で組み上がってしまった。この技術で別の艦船も模型化していただきたいものだが、売れ行きが芳しくなかったのか、以後バンダイからは1/700スケールの艦船モデルが出ていない。

宗谷 Soya(手前)
満載排水量4614t
全長:83.7m 速度12.3kt
竣工:1938 退役:1978
東京都・船の科学館で記念艦として保存

しらせ Shirase(奥)
満載排水量18900t
全長134m 速度19kt
竣工1982 退役:2008
千葉県船橋市にて保存中

宗谷は太平洋戦争前に建造された海軍の運送艦で戦後は引揚船、灯台補給船として活躍した。もともとソ連から受注した砕氷型貨物船であったため、日本初の南極観測船に改装された。小型のため砕氷能力は低く、樺太犬の置き去りを余儀なくされたり、氷に閉じ込められてソ連やアメリカの砕氷艦に助けられたり、紅白歌合戦に氷を届けたりして日本中を感動に包み込んだ。
しらせは、宗谷、ふじに次ぐ3代目の南極観測船。ふじ同様、海上自衛隊所属だが文部省予算で建造され、自衛隊での分類は「砕氷艦」。補給艦ましゅうが登場するまで、海上自衛隊最大の艦船だった。

宗谷は、海軍特務艦時代の命名基準に基づき宗谷海峡から。同名の艦としては、日露戦争で分捕ったロシアの巡洋艦(旧名ヴァリャーグ、バイキングの意)に次ぐ2代目。
「しらせ」は、もちろん、日本で初めて南極探検隊を率いた白瀬矗(しらせのぶ)中尉に因んでいるのだが、砕氷艦の命名基準が「主として山の名」となっているため、南極大陸にある白瀬中尉に因んで名付けられた「白瀬氷河」が由来というややこしいことになっている。

新しらせ

基準排水量:12650t

満載排水量:22000t

全長:138m 速度:19.5kt

搭載能力:物資1100t

竣工:2009 就役中

先代しらせに次ぐ4代目の南極観測船。先代しらせの老朽化に伴い文科省予算で建造されたが、当初予算が却下されて就役が予定より遅れ、その間はオーストラリアの砕氷艦で南極観測が行われた。先代より大型の基準排水量20000tクラスを予定したが、これも予算不足で先代並の大きさになった。艦型もよく似ているが、砕氷能力向上のために艦首が丸い形状になっていること、煙突が2本になっていることが外見上の大きな違い。 わざわざ艦名を公募までしたのに、白瀬中尉の地元(秋田県にかほ市)からの要望もあって「しらせ」を継承した。進水時には先代がまだ現役だったので、本来は「しらせ」を命名できないはずなのだが、規則を改めてまで継承している。
そろそろ「しらせ」を人名と認めてもいいと思うが、人名(それも軍人名)を由来と認めると、護衛艦「とうごう」や「やまもと」も可能になる、などとくだらない因縁を付ける国や団体がありそうなので避けているのかも知れない。
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