護衛艦 海上自衛隊独特の呼称。一般的な艦種としては、駆逐艦、フリゲート、ヘリコプター母艦

その他の艦種

艦名 写真 概要 艦名の由来

あきづき(初代)

あさぐも

はるな HARUNA

艦種:ヘリコプター護衛艦

満載排水量:6850t

全長:153m 速力:31kt以上

兵装:12.7cm×2 ヘリコプター×3他

竣工:1973 除籍:2009

はるな型1番艦。自衛艦で初めて3機のヘリコプターを搭載したタイプ。改良型のしらね型と合わせて4隻が、横須賀、呉、佐世保、舞鶴の4護衛隊の旗艦を務めた。全通甲板を備え、10機以上のヘリコプターを運用できる「ひゅうが」と入れ替わる形で2009年に退役。 群馬県にある榛名山に因む。旧海軍の金剛型戦艦「榛名」に次ぐ2代目。旧日本海軍では巡洋艦(巡洋戦艦、重巡洋艦を含む)で広く使われた山名だが、海上自衛隊の艦艇に付けられたのはこの艦が初めて。2番艦はひえい、改良型はしらね、くらまと続き、以後はイージス艦が山名を引き継ぐ。

しらね Shirane

艦種:ヘリコプター護衛艦

満載排水量:6800t

全長:159m 速力:32kt

兵装:12.7cm×2 ヘリコプター×3他

竣工:1980 除籍:2015

しらね型1番艦。はるな型を拡大したタイプで、全長がわずかに長くなり、煙突が2本になったことが最大の相違点。はるな型同様、ヘリコプターを3機搭載でき、はるな型・しらね型の4隻は、横須賀・呉・佐世保・舞鶴をそれぞれ拠点とする4個艦隊(各隊護衛艦8隻・ヘリコプター8機の、いわゆる88艦隊)の旗艦を長く務めた。特に2番艦の「くらま」は3年に一度開催される観艦式で、観閲官(通常総理大臣)が乗艦する観閲艦を務めることが多かった。ヘリ空母「いずも」の就役により2015年に退役。 山梨県にある白根山(白峰三山)に因む。前型が「はるな」「ひえい」なので、旧戦艦金剛型の同型艦である「こんごう」「きりしま」が予定されていたが、山梨県出身の当時の防衛庁長官が強く推したと言われている。その後こんごう・きりしまはイージス護衛艦で採用された。因みに白峰三山の主峰北岳は日本第2の高峰だが、1位の「ふじ」は戦前は戦艦名に採用されたものの、海上自衛隊では砕氷艦(南極観測船)に使われてしまったので、今後採用される可能性は低い。2番艦くらまは、京都府にある「鞍馬山」に因む。

はつゆき Hatsuyuki

艦種:汎用護衛艦

満載排水量:4000t

全長:130m 速力:30kt

兵装:7.6cm×1 ヘリコプター×1他

竣工:1982 除籍:2010

はつゆき型(全12隻)の1番艦。それまでの護衛艦が、「対潜護衛艦」「対空護衛艦」など、特定任務に特化した設計であったのに対し、艦形を大型化して両者の機能を統合した「汎用護衛艦」の第1世代。2019年現在、すでに7隻が退役、3隻が練習艦に種別変更され、護衛艦籍にあるのはまつゆきとあさゆきのみ。
ちなみにまつゆきは1985年8月、試験航海中の相模湾で日航ジャンボ機から脱落した垂直尾翼を発見、回収しているが、「就役前の艦が偶然、外洋で小さな尾翼を発見したというのは不自然」と、墜落原因をミサイル誤射や謀略とするトンデモ説が流布する一因となっている。
「その年に初めて降る雪」のこと。同型艦は全て「雪」を意味する「ゆき」が付く。旧海軍の駆逐艦から継承されたのは1番艦「はつゆき(初雪)」と2番艦「しらゆき(白雪)」のみで、いずれも明治末期に就役した神風型駆逐艦、昭和期に就役した吹雪型駆逐艦に次ぐ3代目。他の10隻(みねゆき、さわゆき、はまゆき、いそゆき、はるゆき、やまゆき、まつゆき、せとゆき、あさゆき、しまゆき)は護衛艦で初めて採用された。

あさぎり Asagiri

艦種:汎用護衛艦

満載排水量:5200t

全長:137m 速力:30kt

兵装:7.6cm×1 ヘリコプター×1他

竣工:1985 就役中

あさぎり型(全8隻)の1番艦。はつゆき型を拡大改良した汎用護衛艦の第2世代。はつゆき型と武装面で大きな差はないが、抗堪性向上のために左右軸の機関を前後のシフト配置としたため全長が延びて煙突とマストが2本になったことと、設計途中でヘリコプターを2機搭載できるように改めたため、右舷から見た場合に格納庫が非常に目立つのが外見上の特徴。1番艦あさぎり、2番艦やまぎりは一時練習艦に種別変更されたがその後護衛艦に戻され、2019年現在、全8隻が護衛艦籍で活動中。 同型艦は全て「霧」を意味する「きり」が付く。旧海軍の駆逐艦から継承されたのは1番艦「あさぎり(朝霧)」、3番艦「ゆうぎり(夕霧)」、4番艦「あまぎり(天霧)」のみで、あさぎりとゆうぎりは3代目、あまぎりは2代目。その他の5隻(やまぎり、はまぎり、せとぎり、さわぎり、うみぎり)は護衛艦で初めて採用された。

むらさめ Murasame

艦種:汎用護衛艦

満載排水量:6200t

全長:151m 速力:30kt

兵装:7.6cm×1 ヘリコプター×1他

竣工:1996 就役中

むらさめ型(全9隻)の1番艦。はつゆき型、あさぎり型に次ぐ、いわゆる「汎用護衛艦」の第3世代で、汎用護衛艦では初めてVLS(垂直型ミサイル発射システム)を採用した。船内配置の自由度と抗堪性、居住性を高める目的で、船体ははるな型ヘリコプター護衛艦に匹敵する大きさとなり、その後の海上自衛隊護衛艦のベースとなったクラスで、続くたかなみ型、あきづき型、あさひ型も艦型は基本的に踏襲されている。

「ムラのある雨」から、短時間激しく降っては止む雨のこと。同型艦は7番艦までが雨と雷、8・9番艦は朝に由来し、はつゆき型やあさぎり型のように語尾が揃ってはいない。ほとんどは旧海軍や海上自衛隊で使われた伝統の艦名を継承しており、1番艦むらさめ(村雨)、2番艦はるさめ(春雨)、3番艦ゆうだち(夕立)、5番艦いなづま(電)、7番艦いかづち(雷)、8番艦あけぼの(曙)、9番艦ありあけ(有明)は4代目、6番艦さみだれ(さみだれ)は2代目。4番艦きりさめのみ護衛艦で初めて採用された。
たかなみ Takahami

満載排水量:6300t

全長:151m 速力:30kt

主砲:12.7cm砲×1 ヘリコプター×2他

竣工:2003 就役中

たかなみ型(全5隻)の1番艦。むらさめ型を改良した汎用護衛艦の4代目。艦型はむらさめ型とほぼ同じ。外見上の最も大きな違いは、主砲がはつゆき型以来継承されてきたイタリア・オート・メラーラ社の76mm砲から同127mm砲に拡大されたこと。また、むらさめ型では対空用(SAM)と対潜用(SUM)に分けられていたVLSが船体前部に統合され、ヘリコプターも海外派遣に備えて2機の運用が可能になっている。

「高い波」を意味する造語。同型艦5隻はいずれも「なみ」が付く。いずれも旧海軍で使われた伝統の艦名を継承しており、1番艦たかなみ(高波)、2番艦おおなみ(大波)、3番艦まきなみ(巻波)は海軍の駆逐艦と先代護衛艦に次ぐ3代目、4番艦さざなみ(漣)は海軍の駆逐艦(2代)に次ぐ3代目、5番艦すずなみ(涼波)は2代目。津波災害派遣にあまり相応しくない艦名の割に、スマトラ沖地震、東日本大震災にも災害派遣出動している。

あきづき(2代) Akizuki

満載排水量:6800t

全長:150.5m 速力:30kt

主砲:12.7cm砲×1 ヘリコプター×2他

竣工:2009 就役中

あきづき型(全4隻)の1番艦。たかなみ型を改良した汎用護衛艦の5代目。船体はたかなみ型とほぼ同じだが、艦橋上部左右に装備されたフェイズドアレイレーダーが異彩を放ち、本来艦隊防空を担うイージス艦が弾道ミサイル迎撃に専念する場合に代わって艦隊防空の任を担う。また、ステルス性能を阻害する旧来のラティス(格子)型マストから、ようやく諸外国並のステルスマストに変更された。主砲の口径はたかなみ型と同じだが、対空性能重視のイタリア製から、射程の長いアメリカ製に変更されている(本来の呼称は5インチ砲)。

「秋の月」を意味する造語。旧海軍の秋月型駆逐艦「秋月」、1960年代~90年代に活躍した海上自衛隊の護衛艦に次ぐ3代目。秋月型は日本海軍が初めて建造した防空駆逐艦(対空砲主体の駆逐艦)で、本級の防空能力は先代譲りとも言える。同型艦もいずれも旧秋月型の名を継承しており、2番艦てるづき(照月)も秋月同様、海軍と海上自衛隊の先代に次ぐ3代目。3番艦すずつき(涼月)と4番艦ふゆづき(冬月)はいずれも2代目だが、先代は戦艦大和の沖縄特攻に随伴して生還し、戦後は北九州市若松港の防波堤として埋められた。

あさひ Asahi

満載排水量:6800t

全長:151m 速力:30kt

主砲:12.7cm砲×1 ヘリコプター×2他

竣工:2018 就役中

あさひ型(全2隻)の1番艦。あさひ型はむらさめ型に始まる汎用護衛艦の最終クラスで、全体的なスタイルは前型のあきづき型によく似ているが、あきづき型が艦隊防空任務など対空機能の強化に重点を置いたのに対し、本型は最新のOQQ-24ソナーシステム(水中音波探知システム)とOQR-4曳航式パッシブソナーを採用するなど、対潜水艦機能を強化しているのが特徴。また、護衛艦としては初めて、ガスタービンモーターとガスタービンエンジンを併用したハイブリッド推進方式(COGLAG)を採用している。 文字通りの「朝日」を指す3代目。初代は日露戦争時の戦艦「朝日」。旗艦三笠と並ぶ最新鋭艦として黄海海戦、日本海海戦などに参加し、その後は練習艦、工作艦として太平洋戦争開戦時も現役だったが、1942年5月に潜水艦に沈められた。2代目は海上自衛隊黎明期に米国から貸与されたキヤノン級護衛駆逐艦「あさひ」で、同型艦「はつひ」と共に1975年まで使われた。2019年に就役したあさひ型2番艦「しらぬい」は、八代海などで見られる蜃気楼現象に因み、こちらも日露戦争時の東雲型駆逐艦、太平洋戦争時の陽炎型駆逐艦「不知火」に次ぐ3代目。

あまつかぜ Amatsukaze

あまつかぜ型(全1隻)。海上自衛隊初のミサイル護衛艦。

さわかぜ Sawakaze

あまつかぜに続いて3隻が建造されたミサイル護衛艦第2陣。

しまかぜ Shimakaze

満載排水量:5950t

全長:150m 速力:30kt

主砲:12.7cm砲×2他

竣工:1986年 就役中

はたかぜ型2番艦。はたかぜ型は、長射程の対空ミサイルを搭載して艦隊防衛を主任務とする、いわゆる「ミサイル護衛艦」として、あまつかぜ、たちかぜ型(3隻)に次ぐもの。汎用護衛艦と比べると艦体は大型で、主砲を2基搭載した最後の護衛艦。当初は4隻建造する予定であったが、アメリカの画期的な艦隊防空システム「イージス」を導入することになり、後継クラスは後述のこんごう型となった。1番艦「はたかぜ」は2020年3月、イージス護衛艦「まや」の就役により練習艦に種別変更され、本艦も2021年に「まや」型2番艦「はぐろ」と入れ替わりに練習艦に変更される予定。 「島に吹く風」を意味する造語。40ktを超える高速を発揮した峯風型駆逐艦「島風」の名前が、太平洋戦争中に完成した試作高速駆逐艦島風型(同型艦なし)の名前に引き継がれ、本艦で3代目。ただし、特に他艦より速いというわけではない。1番艦はたかぜ(旗風)も、旧海軍神風型駆逐艦と海上自衛隊はたかぜ型護衛艦に次ぐ3代目。
きりしま Kirishima DDG-174

艦種:イージス護衛艦

満載排水量:9485t

全長:161m 速力:30kt以上

兵装:127mm砲×1 VLS90セル

竣工:1995 就役中

こんごう型(全4隻)の2番艦。海上自衛隊で初めてイージス防空システムを搭載したクラス。VLS(垂直発射システム)からは、イージスシステムにより同時に10以上の敵ミサイルを迎撃できる対空ミサイル「スタンダード」の他、対潜ミサイル「アスロック」、弾道ミサイル迎撃ミサイル「SM-3」を発射可能。 鹿児島・宮崎県境にある霧島山に因む。旧海軍の金剛級戦艦「霧島」に次ぐ2代目。同型艦3隻も全て旧海軍の巡洋戦艦や重巡洋艦の名を継承している(こんごう、みょうこう、ちょうかい)。
あたご Atago DDG-177

艦種:イージス護衛艦

満載排水量:10000t

全長:165m 速力:30kt以上

兵装:127mm砲×1 VLS96セル

竣工:2007 就役中

あたご型(全2隻)の1番艦。こんごう型の改良型で、航空機格納施設を装備したのが最大の変更点。メインマストが、ステルス性皆無のラティス(格子)型から、ようやく他国並みの塔型になり、主砲がバカでかいイタリア製からコンパクトなアメリカ製に変更されたのが外見の識別点。こんごう型に続き、弾道ミサイル迎撃ミサイル(SM-3)発射能力を追加予定。

京都府(山城と丹波の国境)にある愛宕山に因む。1582年、明智光秀が「ときは今あめが下しる皐月かな」と詠んで信長襲撃を決意したエピソードで知られる。同じ艦名としては4代目。2番艦あしがらは、金太郎で有名な足柄山に因む。

あぶくま Abukuma

満載排水量:

全長:m 速力:kt

主砲:

竣工: 除籍:

あぶくま型(全6隻)の1番艦。DD(甲型)とDE(乙型)に分けられていた海上自衛隊護衛艦として、DEの最終世代に位置づけられるクラス。本型以降は、DDとDEを統合した汎用護衛艦の建造が進められることになる。

阿武隈川に因む。同型艦(じんつう、せんだい、おおよど、とね、ちくま)はすべて川の名前で、太平洋戦争で活躍した旧海軍巡洋艦の名前を引き継いでいる。川名が付けられた護衛艦は、2016年現在、本クラスが最後。

ひゅうが Hyuga DDH-181

艦種:ヘリコプター護衛艦

満載排水量:19000t

全長:197m 速力:30kt

兵装:CIWS×2 VLS16セル
    ヘリコプター最大11機

竣工:2009年 就役中

海上自衛隊で初めて全通甲板を備えたひゅうが型護衛艦の1番艦。分類上はあくまで「護衛艦」だが、日本以外の全ての国は「ヘリ空母」と認識している。艦番号の「DDH」は「ヘリコプター護衛艦」だが、従来の「はるな型」、「くらま型」が、艦後部のみに飛行甲板を備え、ヘリコプターも最大3機搭載で同時発艦は不可能だったのに対し、最大11機搭載、同時4機発艦可能と、運用能力は飛躍的に向上している。

現在の宮崎県にあたる「日向国」から。旧国名は、旧海軍では戦艦に付けられてきたが、海上自衛隊で採用されたのは初めて。
初代の戦艦日向は、飛行甲板を備えた「航空戦艦」であったことから、「飛行甲板を備えた護衛艦」に採用されたと思われる。

いずも Izumo DDH-183

艦種:ヘリコプター護衛艦

満載排水量:27000t

全長248m 速力30kt

兵装:CIWS×2、SeaRAM×2
    ヘリコプター最大14機

竣工:2015年 就役中

ひゅうが型をさらに拡大した「いずも型」護衛艦の1番艦。全長(飛行甲板長)が一気に50m長くなり、第二次大戦時の翔鶴型に匹敵する。ヘリコプターも最大5機の同時発艦が可能で、垂直離着陸機「オスプレイ」の運用も想定している。一方で、武装は近接対空火器のみで、VLSや魚雷発射管を備えるひゅうが型と比べても個艦戦闘能力は低い。これは、いずも型が単艦で運用せず、艦隊旗艦として、他の護衛艦を率いて行動することを前提としているため。今後、STOVL(短距離離陸・垂直着陸)機、F35Bの運用が可能な空母への改装が予定されている。 現在の島根県東部にあたる「出雲国」に因む。旧国名が付けられた護衛艦は「ひゅうが」「いせ」に次ぎ3隻目。同じ名前の艦としては、日露戦争時に第二艦隊旗艦を務めた装甲巡洋艦「出雲」に次ぎ2代目。
2番艦「かが」は、太平洋戦争時の空母「加賀」の名前を受け継いだ2代目。排水量では加賀の約6割に過ぎないが、全長はわずかに長く、飛行甲板も幅広い。
おおすみ

艦種:輸送艦

満載排水量:14000t

全長:178m 速力:22kt

兵装:CIWS機関砲×2、LCAC×2

竣工:1998 就役中

海上自衛隊で初めて全通甲板備えた艦。海上自衛隊では「輸送艦」を名乗るが、実質はドック型揚陸艦で、後部のウェルドック(格納庫)にホバークラフト型揚陸艇(LCAC)2隻を積載し、前甲板と艦内に輸送/戦闘車両を搭載。後甲板にヘリコプターポートを2基備える。
2010年代初頭、垂直離着陸機「オスプレイ」の離着艦機能付加など強襲揚陸艦への改修が噂され、実際に米軍海兵隊のオスプレイが着艦テストを行ったこともあるが、その後はあまり動きはない。
鹿児島県にある大隅半島に因む。海上自衛隊黎明期の輸送艦(アメリカのお下がり)に次ぐ2代目。大隅は旧国名でもあるが、輸送艦は半島名を付けるのが原則で、2番艦はしもきた(下北)、3番艦はくにさき(国東)。

とわだ Towada

艦種:補給艦

満載排水量:12100t

全長:167m 速力:22kt

竣工:1987 就役中

海上自衛隊が外洋での活動を前提として初めて建造した「さがみ」に次ぐ補給艦で、竣工当時はヘリコプター護衛艦しらね型を上回る最大の自衛艦だった。船体はタンカー護衛艦と並走しながら燃料や物資の受け渡しを行うほか、航空燃料やミサイルの補給能力も備える。

青森県と秋田県の境にある十和田湖から。海上自衛隊の補給艦には湖沼名が充てられ、本級以前には「はまな(浜名)」「さがみ(相模)」があり、本級3隻は「とわだ(十和田)」、「ときわ(山口県宇部市の常盤湖)」、「はまな(浜名:2代)」と命名されている。十和田湖、浜名湖と比べると常盤湖の知名度は低く、採用の裏にどういうドラマがあったのか、時間があったら調べてみたい。

ましゅう Mashuu
艦種:補給艦

 

北海道東部の弟子屈町にある摩周湖に因む。阿寒摩周国立公園にあるカルデラ湖で、かつては世界一のバイカル湖を凌ぐ40m以上の透明度を誇っていた。近年は20m前後になっているようだが、それでも十分澄んだ湖水は「摩周ブルー」とも呼ばれる。1960年代に流行った歌から「霧の摩周湖」というイメージが定着しているが、行ってみると意外とよく見える。2番艦の「おうみ」(近江)は、「琵琶湖の古名」である。そもそもは大きな湖(淡海)を大和からみて近淡海(琵琶湖)、遠淡海(浜名湖)と呼び、それが後に令制国名「近江」「遠江」に転じたのだが、すでに「はまな」があるのだから「びわ」でも良かったと思う。そうも海上自衛隊にはかつての戦艦名である令制国名を付けたいという意識があるようだ。

はやぶさ型 Hayabusa Class

艦種:ミサイル艇

満載排水量:240t

全長:50.1m 速力:44kt

主砲:7.6cm×1

竣工:2002 就役中

ミサイル艇は、対艦ミサイルを搭載した沿岸域向けの小型軍艦。日本初のミサイル艇「1号型」は、イタリアの技術を応用した水中翼船型で46ktの快速を誇ったが、凌波性が低く日本海での運用に難があったため、後継の本型はウォータージェット推進、全長50mの大型艇となった。1999年、能登半島で不審船を取り逃がした事案を考慮して、44ktの最高速力と、護衛艦並の76mm砲を搭載している。しかし、やはり小型すぎると判断されたのか、海上自衛隊では代替としてより大型の「哨戒艦」を建造予定と報道されている。

「はやぶさ」「わかたか」「おおたか」「くまたか」「うみたか」「しらたか」と、全6隻が鳥(猛禽類)の名から付けられており、2隻ずつ日本海側を管轄する佐世保、舞鶴、大湊に配属されている。

艦種:掃海艇 Minesweeper

満載排水量:500~600t

全長:約55m 速力:14kt

「掃海」とは海中に敷設された機雷を探索して処理すること。日本の掃海技術は、太平洋戦争や朝鮮戦争で敷設された機雷の処理してきた日本の掃海技術は世界的にも高レベルと認められており、海上自衛隊の初の海外派遣も1991年の湾岸戦争におけるペルシャ湾の掃海任務だった。磁気機雷(船の磁気を感知して爆発する機雷)を避けるため船体が木製またはFRP製になっているのが特徴で、特に日本は最後まで木製掃海艇を作り続けてきたが、製造コストと船体寿命の問題から、現在はFRP製になっている。

海上自衛隊では、排水量1000t以上を「掃海艦」、1000t未満を「掃海艇」と区分しているが一貫して島(もしくは群島)の名が付けられている。掃海艦にやえやま(八重山群島)、つしま(対馬)あわじ(淡路島)、はちじょう(八丈島)など比較的大きな島名が付けられるようだが、あわじの先代は掃海艇だったので基準はよくわからない。何より、今まで「たけしま」が一度も採用されていないのは不可解。

260t型 Type 260t

艦種:曳船 Tugboat

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